Trivia 製品豆知識

工場や施設の床といえば?
知らないと損をする床の基礎知識<塗床編>

製品豆知識2024/07/10

工場や施設の床といえばコンクリート剥き出しではなく、塗装をしていたり、塩化ビニールのシート(ビニル床シート)を敷いていたりするのが一般的です。コンクリート剥き出しの状態ですと、人の歩行やリフト・台車の通行などで摩耗して発塵したり、薬品や油で腐食したりします。そういったコンクリートの弱点を補い床を長持ちさせるために、塗装したりシートを貼ったりしています。その床の塗装のことを塗床、シートのことをビニル床シートまたは長尺シートといい、工場・施設の床はそのどちらかが採用されていることがほとんどです。

今回のコラムではそのうちの塗床について取り上げていきたいと思います。

塗床(ぬりゆか)とは

塗床とは、使用環境や用途別の床専用材料(塗料)を、様々な工法で下地コンクリートに塗り付けて仕上げる床専用の塗装のことです。外壁などの塗装とは全く異なる塗装で、通常のペンキは使用しません。工法も全く異なり、塗床の場合、環境や用途によっては10層近く塗り重ねて仕上げることもあります。
※厳密に言いますと「塗装」と「塗床」は異なるのですが、一般的にもイメージしやすい為、塗装という表現を使用しています。

塗床の目的

塗床を施工する目的は主に6つあります。

1.床の保護・耐久性アップ

下地コンクリートは摩耗に弱く、人の歩行や台車・リフトの通行で摩耗してしまいます。また酸性薬剤や油脂にも弱く、腐食してしまいます。
塗床には、そういった摩耗や腐食からコンクリートを保護し耐久性をアップさせる目的があります。

2.発塵の防止

下地コンクリートは剥き出しの状態だと摩耗により発塵し、粉塵の製品への混入や設備機器の不具合が生じる恐れがあります。特に食品工場、製薬工場、クリーンルームなどは最低でも防塵床でないといけません。

3.耐荷重性のアップ

重量のある設備の設置や、リフトや重量物の移動がある施設・エリアでは、床に非常に負荷がかかります。塗床を施工することで耐荷重性が大きくアップします。

4.色を分けて作業効率を上げる

作業内容に合わせてエリアを色分けすることができます。作業エリアを色分けして導線を作ったり、保管製品別に床を色分けし仕分けを効率化したり、色分けによる作業効率の向上も塗床の目的の1つです。

5.様々な機能を付与する

環境や用途に応じた機能を床に付与する目的もあります。例えばクリーンルームの床の場合、帯電防止性や導電性、防塵性などが必要になりますし、厨房であれば耐熱水性や防水性、耐油性などが必要になります。
適した機能をもつ塗料を選定し、最適な工法で施工することで環境や用途に応じた床が出来上がります。

6.美装性を上げる

下地コンクリートが剝き出しの状態は見た目も味気ないものです。また人の歩行やリフト・台車の通行による傷があるとさらに美観が損なわれます。工場見学や監査などで外部の方を工場に招くこともあるかと思います。企業にとってはイメージも非常に大切ですので、美観を高めることも目的の1つです。

 

自動車展示場 塗床

エポキシ樹脂厚膜塗床(カーディーラー)
キレイな仕上がりで天井照明を反射しています。

塗床の種類

塗床は「コテで塗る厚膜タイプ」「ローラーで塗る薄膜タイプ」の2種類があります。

1.厚膜タイプ

主にコテ塗りで施工する塗床です。厚み0.8mm以上に適しており、何層にも塗り重ねて厚みを出します。少しの凹凸であれば埋めることができ、コテ塗りですので美観も良く仕上がります。多くの工法があり、環境や用途に応じて対応が可能です。

エポキシ樹脂、硬質ウレタン樹脂、MMA(メタクリル)樹脂、ビニルエステル樹脂、水性硬質ウレタン樹脂の5つに分けられ、環境や用途に応じて最適なものを使用します。それぞれの特徴は以下の通りです。

エポキシ樹脂
衝撃・摩耗・薬品に強く、仕上がりもキレイです。最も広く使用されている塗床で、各種工場や病院などでも使用されています。多くの工法があるため様々な現場に対応できます。

硬質ウレタン樹脂
耐衝撃性と耐薬品性を備えています。またクラック追従性に優れています。

MMA(メタクリル酸)樹脂
硬化速度が速く、耐衝撃性を備えています。また、酸やアルカリに対して優れた耐久性を示します。施工時に臭気が発生するのが欠点です(低臭タイプもあります)。

ビニルエステル樹脂
エポキシ樹脂よりさらに耐薬品性に優れ、溶剤や熱にも強く優れた防食性を示します。酸やアルカリに対しては長期にわたり抜群の耐久性を発揮します。施工時に臭気が発生しますので、近隣への事前の配慮が必要な場合があります。

水性硬質ウレタン樹脂
耐熱性、耐水性、抗菌性があり、酸やアルカリ、油脂、アルコールなどに対しての耐久性にも優れています。施工時の臭気がなく、塗料の硬化速度も早いため、夜間に施工して仕上げることも可能です。主に厨房や食品工場に採用されています。

 

2.薄膜タイプ

薄膜タイプはローラーで施工します。いわゆる防塵塗装と呼ばれているもので、主に軽歩行箇所(人が歩く程度でリフト等は通行しない)に使用されています。機械室や二重床の下など歩行頻度も少ないところに施工される場合もあります。厚膜に比べ塗り付け回数も少なく、2~3回に設定されているのが一般的です。塗り付け回数が少ない分、厚膜に比べ短工期で経済性に優れています。薄いため、下地の凹凸や波打ちがそのまま表面に出てしまいます。

エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂があり、それぞれの特徴は以下の通りです。

エポキシ樹脂
防塵性、耐薬品性があります。厚膜ほどではありませんが、耐摩耗性もあり、倉庫や車庫に使用されることもあります。

ウレタン樹脂
防塵性、耐候性があります。

アクリル樹脂
防塵性があります。歩行頻度の少ない箇所への施工が多いタイプです。

 

老人ホーム 塗床

水性硬質ウレタン樹脂(高齢者施設)

塗床業者の選定について

塗床の選定は種類や工法が多種多様なため、専門業者に相談しましょう。
塗床工事は塗床専門業者だけでなく、建築関係の業者、壁塗装などの左官業者などが行っている場合があります。この中で品質が安定しているのは、やはり塗床専門業者です。塗床専門業者に打合せ・現地調査を依頼し現状を相談しましょう(もちろん弊社でも対応しています)。
塗床専門業者もピンキリですので、下記のポイントをおさえて選定しましょう。

1.下地処理をしっかり行ってくれるか

塗床工事では下地処理が非常に重要です。研磨や油脂・水分の除去、収縮防止の措置など、既存床の状態に合わせて適切な処理が必要です。下地処理を疎かにすると仕上がりが悪くなり、剥がれや割れの原因となってしまいます。塗床専門業者に相談するときは下地についてしつこいくらいに質問して業者の質の見極めを行うとよいと思います。

2.環境や用途に応じた床材料を提案してくれるか

使用環境や用途により塗床に要求される機能は変わってきます。薬品の使用有無、重量物の移動有無、静電気対策の必要性など、細かなヒアリングをしてくれる業者に依頼しましょう。丁寧にヒアリングをしてくれる業者は施工も丁寧にしてくれるでしょう。

3.実績が豊富か

最後のポイントはやはり実績です。様々な工場での豊富な実績がある会社を選びましょう。実績があるということは、それだけ選ばれ続けているということです。上記2つのポイントもクリアしている可能性が高いと思われます。仮に施工の途中に予期せぬトラブルが発生しても経験豊富な業者であれば、状況に合わせて対応してくれるでしょう。

塗床工事は弊社にお任せください

弊社では、実績豊富な複数の塗床専門業者をパートナーとして、塗床工事を請け負っています。新設案件、改修案件ともに対応しており、無償での現地調査・打合せの後、最適な塗床をご提案させていただきます。
弊社は複数のパートナーと提携していますので、1社がスケジュールの都合で対応不可でも、別のパートナーで対応させていただくことができます。繁忙期でも複数のパートナーがいる弊社であれば対応が可能です。
またパートナーが多いことで様々な塗料メーカーの塗床材を扱うことができますので、より最適な塗床材をご提案することができます。

床のご相談はぜひ石塚株式会社までお願い致します。

弊社の塗床の施工事例

床材:厚膜型エポキシ樹脂系 ケミクリートE
膜厚:2.0mm
工法:流しのべペースト工法
面積:約210㎡
その他:無溶剤プライマー仕様、一括施工、色分け無(1色)

 

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