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透明不燃シートで工場内の安全性アップ|不燃の定義や基準も解説

製品情報2024/11/07

不燃性と透明性を兼ね備えた高機能不燃シートの種類やメリット、そして商品のご紹介を致します。工場での間仕切り用途だけでなく、最近では火災発生時の避難時間確保として防炎カーテンや防炎シートからの切り替えが進んでいます。

1.不燃シートとは

不燃シートとは、主にガラスクロスを中間層として表裏をPVC(塩化ビニール)でサンドイッチした製品のことを指します。ガラスなど従来の不燃性素材に比べ柔軟かつ軽量で、ガラス代替用途、テント膜、膜天井、防炎垂れ壁など、様々なシーンで使用されています。近年では防炎性のシートやカーテンから、不燃性のシートやカーテンに切り換える需要も増えています。

では、そもそも不燃性とはどういう性能なのでしょうか?

1-1.不燃性の定義

不燃性とは、「一定時間、炎が貫通しない」ことをいいます。「全く燃えないこと」を指すわけではありません。
不燃性に関しては建築基準法で定められており、要求される性能に基づいて「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」の3ランクに分けられています。その中で「不燃材料」が最上位であり、このコラムで紹介する不燃シートは「不燃材料」」に該当します。評価基準をクリアした製品には国土交通大臣より認定書が発行され、認定番号が与えられます。テント倉庫などの建築物における膜材用途としての不燃シートは別途、A種、B種、C種など、建築基準法に基づいた選定が必要になります。

防火材料 炎貫通制止時間 要求性能等
不燃材料(法2条9号) 20分間 ①燃焼しない事。
②防火上有害な変形、溶融、亀裂、その他の損傷を生じない事。
③避難上有害な煙、又はガスを生じない事。
準不燃材料(令1条5号) 10分間
難燃材料(令1条6号) 5分間

1-2.不燃シートの種類

不燃シートには透明タイプ、高透光タイプ、半透明タイプ、不透明タイプがあります。それぞれの特長は次の通りです。

①透明タイプ

透明タイプは、不燃性と視認性(透視性)の両方が要求されるエリアの間仕切りカーテンや、不燃パネルの代替として工場内のブースの壁、またガラスの代替として防煙垂れ壁に使用されています。非常に高価な製品です。

②高透光タイプ

高透光タイプは、採光性は高いのですが透明性はそれほど高くないシートで、透明タイプより安価な製品です。透明タイプ同様、不燃パネルの代替用途で使用されることが多い製品です。

③半透明タイプ

半透明タイプは、採光性はありますが、向こう側はほぼ見えないタイプです。障子がイメージとしては近いかもしれません。用途は不燃性を要求されるエリアでの間仕切りや不燃パネル代替としてのブースの壁、体育館などの膜天井です。

④不透明タイプ

不透明タイプは膜材がほとんどで、各種テントやテント倉庫、膜天井に使用されています。色数も豊富に取り揃えており、好みの色から選ぶことができます。

 

不燃透明シート

透明タイプ

不燃高透光シート

高透光タイプ

不燃半透明シート

半透明タイプ

不燃不透明シート

不透明タイプ(白)

1-3.透明不燃シートのメリット

4つのタイプのうち、特に問合せが増えている透明不燃シートについて詳しくみていきましょう。

4つのタイプがある中で透明不燃シートのメリットは何でしょうか?
ここでは透明であることでどのようなメリットがあるか3つ挙げていきます。

①視界を遮らない

向こう側が見えるため作業者同士の衝突を避けることができたり、危険が伴う作業でも死角を作らず周囲を確認しながら作業が出来るなど、危険を回避することができます。

②光を遮らない

光を遮らないため、明るい空間を創ることができ、作業ミスなどを抑制できます。

③圧迫感がない

透明なので狭い空間で仕切りをしても圧迫感がなく、快適に作業ができます。

 

 

2.透明不燃シートの用途

では透明不燃シートはどういう場所でどのように使用されているのでしょうか。

2-1.間仕切りカーテン

不燃性と視認性(透視性)が求められる場所で間仕切りカーテンとして使用されています。不燃シートは透明に限らず屈曲に弱い製品ですが、機能の高さから開閉カーテンにも多く使用されています。但し屈曲に弱いという弱点はありますので、折り曲げ跡が白化し、さらに開閉回数が増えれば屈曲箇所から裂けてしまうこともあります。事前にサンプルを取り寄せるなど、現物を確認してから採用するようにしましょう。

2-2.固定パーティション

枠に張り込んで不燃パーティションとして使用されることがあります。張り込みなので、施工後に折り曲げることがないため、開閉カーテンに比べ綺麗な状態を維持できます。

2-3.ブースの壁

クリーンブースやビニールブースの壁に、不燃パネルや硬質プラスチック板の代替として張り込んで使用されています。こちらも施工後に折り曲げることがないため、開閉カーテンに比べ綺麗な状態を維持することができます。

2-4.防煙垂れ壁

ガラスの代替として防煙垂れ壁に使用されています。ガラス製の防煙垂れ壁は地震発生時などに割れて落下し、二次災害に繋がる恐れがあります。シートであれば柔軟性があるため割れることがなく、落下しても二次災害の危険性を著しく減らすことができます。

※防煙垂れ壁とは建築基準法で定められた防煙区画を構成する防煙壁のことです。天井から50cm以上垂れ下げた防煙垂れ壁により火災時の煙を遮断することで、避難する時間を少しでも確保するために設置されます。東日本大震災以前はガラス製がほとんどでしたが、震災以降不燃シートへの切り換えが急速に進みました。

最近は特に間仕切りカーテンでの問合せが増えています。折り目やシワが付くと取れないというデメリットはありますが、それ以上に不燃性が強く求められています。

 

3.透明不燃シートの製品紹介

透明不燃シートは製造に高い技術が必要なため種類は限られていますが、以下にご紹介していきます。

3-1.アキレスフネンクリアⅡ

フネンクリアⅡは高い透明性と不燃性、帯電防止性を有した透明不燃シートです。柔軟性があり、不燃シート特有の屈曲による白化が比較的少ないシートです。UVカット性能も有するため、商品や資材の耐候劣化の抑制に貢献します。
旧タイプの「フネンクリア」は特許の関係で防煙垂れ壁への使用は出来ませんでしたが、こちらの「フネンクリアⅡ」は課題をクリアして防煙垂れ壁にも使用できるようになりました。

  • 規格:厚み0.25mm×巾1070mm×巻20m乱尺
  • 不燃認定番号:NM-5204(国土交通大臣認定)
  • 光線透過率:84%(JIS K 7361)
  • 表面固有抵抗値:2.8×10の9乗Ω(JIS K 6911準用)
  • 紫外線カット率:97.7%(JIS A 5759準用)

3-2.クリアクリスタル RG-1200FB

クリアクリスタルは90%以上の光線透過率と不燃性、帯電防止性に加え、消防法に基づいた防炎性をも兼ね備えた透明不燃シートです。フネンクリアⅡと同じく屈曲による白化が比較的少ないシートです。

  • 規格:厚み0.28mm×巾1010mm×巻30m乱尺
  • 不燃認定番号:NM-3726(国土交通大臣認定)
  • 光線透過率:90.8%(JIS K 7361-1)
  • 表面固有抵抗値:10の10乗Ω(JIS K 6271,温度20℃,湿度60%)
  • 防炎登録番号:A1170031

3-3.ユークリアシート®N

ユークリアシート®Nはガラスクロスだけでなくガラスネットを挟み込むことで、引裂強度を高めたタイプで、ユークリアシート®Wの「引裂強度が弱い」という弱点を補った透明不燃シートです。

  • 規格:厚み0.49mm×巾960mm×巻30m乱尺
  • 不燃認定番号:NM-4334(国土交通大臣認定)
  • 光線透過率:84%
  • 表面固有抵抗値:10の12乗Ω

3-4.ユークリアシート®K

ユークリアシート®Kは高い光線透過率と帯電防止性を併せ持つ透明不燃シートです。厚みが薄いため間仕切りよりも防煙垂れ壁に向いている製品です。

  • 規格:厚み0.19mm×巾1040mm×巻25m乱尺
  • 不燃認定番号:NM-4501(国土交通大臣認定)
  • 光線透過率:90%以上
  • 表面固有抵抗値:10の7乗Ω

3-5.その他の不燃シート

※画像をクリック頂くと不燃シートの商品詳細をご覧いただけます。

ブルークリスタル

透光率60%以上の不燃シートで、外からの光を採り入れて明るい空間を維持する採光性があり、半透明なので外部からの目隠し効果もあります。

G-1025CL高透光

高透光の不燃シートで、半透明タイプと比べ明るい空間を維持する採光性とシートの向こう側を確認できる視認性を兼ね作業の安全性確保に最適です。

G-1025BT半透明

半透明の不燃シートで採光性に優れて室内を明るく保てますが、視認性はそれほど高くなく外部からの訪問者へエリアの目隠し効果があります。

G-1025BT不透明

不透明の不燃シートで、日光による製品の紫外線劣化や赤外線による熱によって発火の恐れがある化学物質などを保管している倉庫や貯蔵庫に最適です。

G-1025CLYイエロー

溶接を行うスペースの周囲を間仕切ることで、同じ工場内で働く作業員の眼をアーク光から保護でき、また作業の集中力妨げ防止に最適です。

クリアライトロンV-2000-NF

不燃性のカラー不燃膜材料で、パレットやドラム缶などを保管している屋外ラックや倉庫の壁に使用することで火災予防対策に貢献します。

 

4.まとめ

工場や倉庫での火災事故は完全には無くすのは困難です。不燃シートは一定時間炎を貫通させないことで火災発生時の避難時間の確保に貢献します。防炎カーテン、防炎シートからの切り換えが今後も進み、透明不燃シートの需要はますます高まっていくものと思われます。

もし工場内の間仕切りやブースの素材でお悩みであれば、透明不燃シートも候補の1つに加えてみてはいかがでしょうか。
弊社では透明不燃シートの素材販売からカーテン製作、現場施工まで承っております。
無料で現地調査にも伺いますので、ご遠慮なくお声掛けくださいませ。

 

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まずは一度カタログをご覧いただけますと幸いです。

 

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