Trivia 製品豆知識

スポットクーラーとビニールブースの併用で熱中症対策

製品豆知識2025/07/04

はじめに

製造業・加工業等の作業現場では、夏場の猛暑による高温環境が作業員の健康を脅かす深刻な問題となっています。特に工場内では天井や窓からの熱、機械が発する熱により温度が上がりやすく、かつ熱を逃がしにくく籠りやすいため、熱中症のリスクが高まります。そのような環境で作業効率を保ちながら、従業員の安全を確保するには、的確な熱中症対策が不可欠です。
この記事では、「スポットクーラー」と「ビニールブース」を併用した効果的な熱中症対策について詳しく解説し、導入を検討している工場管理者・設備担当者様向けに導入メリットや注意点など、実用的な情報をご提供いたします。

熱中症が工場現場にもたらすリスクとは?

熱中症は、高温多湿な環境で体温調節がうまくできなくなること体内に熱が籠り発症する症状です。特に工場などの屋内施設では、建屋から伝わる熱や機械・人が発する熱によって気温・湿度が高くなりやすく、外気よりもむしろ危険な状況になることがあります。

作業者が熱中症になると、体調不良による作業効率の低下、長期的な休職、事故やヒヤリハットの増加など、企業の生産性や労働環境に大きな悪影響を及ぼします。最悪の場合は重篤な健康被害や労災認定に発展し、企業責任が問われることもあります。

 

熱中症対策義務化について

2025年6月1日から、労働安全衛生規則が改正され、事業者に職場での熱中症対策の義務化が導入されました。主なポイントは以下の通りです。

1.対象範囲

「WBGT(暑さ指数)28以上または気温31度以上の環境下で連続1時間以上または1日4時間超えて実施が見込まれる作業」を行う場合に適用されます。

2.報告体制の整備と周知

「熱中症の自覚症状がある作業者」や「熱中症の恐れがある作業者を見つけた者」が報告できるよう、事業場における緊急連絡先や担当者などを決め、その体制を関係作業者に周知する必要があります。

3.症状の悪化防止措置の準備と周知

厳しい暑熱環境下での作業の場合、作業中断・身体冷却・必要時の医師対応の積極的措置や、緊急連絡網・搬送先などの手順を作業現場ごとに定め、事前に関係作業者に周知しなければなりません。

4.実施手法と保存

掲示やメール、朝礼など複数の手段で周知し、記録保持は義務ではないものの、監督署から求められた際に対応できるように整えておくことが望まれます。

5.罰則

事業者が違反すると、労働安全衛生法第119条により、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

 

事業者が行うべき熱中症対策の具体例

事業者は多面的に対策を講じ、労働者の安全確保に努める必要があります。以下に対策の具体例をいくつかご紹介いたします。

  • 暑さの状況の把握
  • 作業スケジュールの調整
  • 作業環境の改善
  • 労働者への教育と周知
  • 健康管理体制の整備
  • 水分や塩分補給の支援
  • 記録と見直し

スポットクーラーとビニールブースの組み合わせは、このうちの「作業環境の改善」に貢献いたします。

 

スポットクーラーの特長と導入効果

特長

スポットクーラーは、広い空間全体ではなく、作業者がいる「局所空間」だけを冷やすことに特化した装置です。冷風ダクトを狙った方向に向けることで、熱中症の主原因である体温上昇を効果的に防止できます。設置が簡単で、移動も容易であるため、レイアウト変更にも柔軟に対応できる点が特長です。

導入効果

スポットクーラーの効果としては、作業環境を局所的に冷却することで、労働者の体温上昇を抑え、熱中症の予防に貢献します。快適な温度環境により、集中力・作業精度の低下を防ぎ、生産性を保つことができます。さらに空間全体を冷やすよりも電力消費を抑えられ、省エネで経済的です。

 

ビニールブースの特長と導入効果

ビニールブースとは、透明なビニールシートとフレームで構成された簡易的な半密閉空間です。工場の製造現場、組立ライン、塗装ブース、クリーンブース、検査室、倉庫の一角、出荷・梱包エリアなど特定の作業エリアを仕切るために使用されることが多く、温度や湿度、異物混入のリスクを管理し、作業者の安全性や製品の品質を確保します。

特長

低コスト・短納期で比較的導入しやすいのが特長です。キャスター付きにすることもでき、作業工程のレイアウト変更にも柔軟に対応しやすい設備です。オーダーメイドの場合は現場に応じて必要な寸法・形状で製作できるため、規格品では合わない現場にも対応が可能です。
また生地のラインナップが豊富で、目的に合わせて適切な機能を選定いただけます。

導入効果

空間を隔離することで温度・湿度・気流などの外的影響を抑え快適な作業空間を作ることができ、集中力の向上や作業効率の改善に効果を発揮します。また粉塵や虫の侵入を防ぎ、衛生的な環境を保つことで製品の品質管理にも役立ちます。

 

スポットクーラーとビニールブースの併用メリット

1.効率的な局所冷却で空調電気代を削減

スポットクーラーとビニールブースを併用することで、冷気を外に逃がさずブース内に効率的に閉じ込めることができます。その結果、局所的な冷却効果が大幅に向上し、広い空間全体を冷やすよりも冷房効率が高まり、空調にかかる電気代の削減にもつながります。

2.空調管理が難しい現場で熱中症対策に効果的

特に、工場や倉庫など空調管理が難しい現場においては、スポットクーラーとビニールブースの併用が有効な熱中症対策となります。作業者の体調管理や安全性の確保に貢献し、快適な作業環境は集中力や生産性の維持にも寄与します。結果として、企業全体の業務効率向上も期待できます。

3.製品の品質管理に貢献

涼しい空間で製品を保管することで、品質の劣化を防ぎ不良品の低減につながります。暑さに弱い製品や材料を保管する上でスポットクーラーとビニールブースの組み合わせは有効です。
またブース内部が陽圧になることで、ブースの外から虫や粉塵が侵入しにくくなり、異物混入リスクを低減できます。

4.従業員からの快適性に関する満足度の向上

冷房の効いた空間で作業や休憩ができるという環境は、従業員の快適性に関しての満足度を向上させモチベーションをアップさせます。

 

事例:スポットクーラー×ビニールブースで製品管理

倉庫の在庫商品を常に冷やしておくため、スポットクーラーの冷風を効率良く在庫スペースに送り続けられるようにビニールブースを施工しました。冷却エリアを囲うことで効率よく冷気を保ち、製品の品質維持に貢献しています。

商品冷却のために設置されたスポットクーラーとビニールブース
スポットクーラーとブースの接続箇所

 

スポットクーラー×ブース製作・設置の注意点

  • 空気の逃げ道の確保:空気の逃げ道がないと給気されるだけで排気ができずブースが膨らみ過ぎてしまうので、ブースの裾部分に少し隙間を作るなど空気の逃げ道を確保することが重要です。ただし隙間を開けすぎると冷気が排出され過ぎて冷却効果が落ちてしまうため、弊社では冷却効果と給気・排気のバランスを考えて加工いたします。
  • 出入口の形状の選定:ビニールカーテン式やラップ式、ファスナー式など様々な形状で製作可能です。ブースへの出入り頻度や密閉度を考えて選定することが重要です。
  • 使用生地の選定:現場環境に適した機能のビニールシートを選定することが可能です。防炎や帯電防止、紫外線カットなど豊富なラインナップから選定いただけます。高強度の糸入りビニールシートや、ガラスクロスを中間層に使用した不燃シートでの製作も可能です。

 

問い合わせ・見積依頼はこちら

弊社では、現場環境に応じたスポットクーラー×ビニールブースのご提案を行っています。スポットクーラー単体やビニールブース単体でも承っておりますのでお気軽にお問合せください。

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