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塗床のエポキシとウレタンの違いとは?特徴や向いている施工場所を解説

製品豆知識2024/07/10

下地のコンクリートを保護して外観を綺麗にする「塗床(ぬりゆか)」には、さまざまな塗床材があります。塗床の種類は、大きく分けて有機系と無機系の2つです。有機系は合成樹脂系とも言い、有機系の中に「エポキシ(エポキシ樹脂系)」と「ウレタン(ウレタン樹脂系)」があります。

この記事では、塗床のエポキシとウレタンの違いを詳しく解説します。それぞれに適した用途や特徴などの情報をお届けしますので、ぜひご一読ください。

エポキシとウレタンは有機系の塗床

エポキシとウレタンは、どちらも有機系(合成樹脂系)の塗床に分類されます。有機系は、合成樹脂を使った床材です。有機系の樹脂の種類によって、「エポキシ樹脂系」や「ウレタン樹脂系」と呼ばれます。有機系には、他にもアクリル樹脂系などのさまざまな種類があります。

有機系の塗床は、塗る厚さによって「薄膜」と「厚膜」に区別されます。薄膜と厚膜は単なる厚みだけでなく、適した用途も異なります。薄膜は、美粧や防塵を目的とする施工が一般的です。一方の厚膜は、高い耐久性や機能が求められる場所に向いています。エポキシやウレタンなどの有機系塗床を選ぶ際は、施工目的に合わせて塗床の種類と厚み、工法を組み合わせましょう。

有機系塗床は「アクリル樹脂系」もある

エポキシとウレタンのほか、有機系塗床の代表的な種類に「アクリル樹脂系」があります。多くの場合、アクリル樹脂系は薄膜の施工に用いられる材料です。安価なためコストパフォーマンスに優れており、徒歩通行のみの倉庫や事務所に適しています。
反面、耐摩耗性(すり減りにくさ)や薬品耐性などの各種耐性は低い素材です。したがって、重い機械が稼働する工場や薬品を使う研究所、耐熱・耐水性が求められる調理場などの場所には向いていません。

【一覧表】エポキシ樹脂系とウレタン樹脂系の違い

まずは、エポキシ樹脂系とウレタン樹脂系のおおまかな違いを一覧表で確認しましょう。

エポキシ樹脂系 ウレタン樹脂系
メリット 硬い素材で、衝撃や摩耗に強い。油や薬品など、多くの耐性を持つため幅広い場所へ利用可能 柔らかい素材であるため、エポキシ樹脂系よりも衝撃に強い。クラック追従性が高くひび割れしづらい
デメリット 紫外線によって黄変しやすく、色褪せてしまう 高湿度な現場では発泡しやすく、施工難易度が上がる
主な施工場所 重機の通行箇所、薬品工場、学校、病院など 学校、病院、会議室、事務所、集合住宅など

続いて、エポキシ樹脂系とウレタン樹脂系の詳しい違いを解説していきます。

エポキシ樹脂系の特徴

リフトも走行する工場の床

エポキシ樹脂系は、塗床材の中でもとりわけ広く用いられている塗料です。防塵性、衝撃性、耐摩耗性、耐油性、耐薬品性といった数多くの優れた性能を持ちます。薄膜と厚膜のどちらの施工にも使用可能です。下地コンクリートへの接着性が高く、シームレスで光沢のある仕上がりになります。骨材を入れて防滑性を持たせることもでき、様々な現場に対応可能な塗床材です。

一方デメリットは、太陽光や蛍光灯などの紫外線によって黄変しやすいことです。綺麗に塗り上げても色褪せを考えると直射日光が恒常的に当たる場所への使用は避けた方が良いでしょう。また、耐熱仕様ではない製品の場合、60℃以上の高温施設には不向きです。

向いている施工場所

多くの耐性を持つ上に仕上がりも美しいエポキシ樹脂系は、以下のようにさまざまな場所に適しています。

・フォークリフトなどの重い運搬機の通行箇所、製造工場
・高い衛生性が求められる食品工場やクリーンルーム
・薬品工場、製薬会社の研究所
・病院や学校

こうした幅広い施設に採用されているため、エポキシ樹脂系はもっともポピュラーな塗床材として長年用いられています。

ウレタン樹脂系の特徴

ウレタン樹脂系は、柔らかな歩行感が特徴的な塗床です。弾力性があるため、エポキシ樹脂系よりも耐衝撃性に優れています。一般的に、価格はエポキシ樹脂系に比べて高い傾向があります。

また、下地コンクリートのクラック(ひび割れ)の影響を受けにくい「クラック追従性」の高さも魅力です。下地コンクリートにクラックが生じても、上層のウレタン樹脂系塗床も一緒に伸びます。そのため、ウレタン樹脂系で施工した床は、ひび割れや剥がれなどのダメージが出づらくなります。ただし、下地コンクリートの処理が不十分だとかえって剥離しやすくなるので、エポキシ樹脂系よりもやや施工難易度が高いと言えます。

なお、ウレタン樹脂系が苦手とするのは、高湿度の環境です。湿度60%以上の環境で発泡しやすくなるので、夏場や湿気が高い施設における施工は注意しましょう。

向いている施工場所

ソフトな感触が特徴のウレタン樹脂系は、次に挙げるような、人が通る場所に適しています。

・学校、病院、倉庫
・会議室、事務所
・階段、廊下
・集合住宅

柔らかな歩き心地になるため、歩行時の負担を和らげてくれるでしょう。

ウレタン樹脂系を改良した「硬質ウレタン樹脂系」と「水性硬質ウレタン樹脂系」

ウレタン樹脂系は、「硬質ウレタン樹脂系」と「水性硬質ウレタン樹脂系」の塗床もあります。それぞれの特徴を解説します。

硬質ウレタン樹脂系

硬質ウレタン樹脂系とは、エポキシ樹脂系とウレタン樹脂系の特徴を併せ持った塗床です。ウレタン樹脂系の柔らかさを保ちつつ、エポキシ樹脂系の頑丈さも持ち合わせています。ゆえに衝撃への耐性が強化されており、自動車工場や駐車場、印刷工場などの重い機械を扱う施設への適正が向上しています。耐薬品性もあるので、薬品工場の床面にも適しています。
ウレタン樹脂系の弾力性は残っているため、通路や階段といった歩行箇所にも施工可能です。耐久性が増したことから、頻繁に人が行き交う場所でもダメージを受けづらくなっています。

水性硬質ウレタン樹脂系

硬質ウレタン樹脂系をさらに水性に特化させた塗床が、水性硬質ウレタン樹脂系です。硬質ウレタン樹脂系の優れた性質を有しており、中でも耐衝撃性や耐薬品性、耐熱性が飛躍的に進化しました。従来の耐熱仕様ではないエポキシ樹脂系は60℃以上の現場には不向きでしたが、水性硬質ウレタン樹脂系はメーカーによっては100~120℃までの高温に耐えられる商品もあります。

ほぼ全ての屋内施設に対応できるため、過酷な環境の現場におすすめです。たとえば、耐水性・耐油性・耐熱性が優れていることから、厨房や食品工場に向いているでしょう。床面の高温洗浄に耐えられるので、常に清潔な衛生環境を保てます。強化された耐薬品性により、さまざまな化学工場への導入も可能です。加えて、環境に優しい水性塗料であるため、溶剤の臭いもありません。

エポキシとウレタンでは適した使用場所が異なる

「エポキシ樹脂系」は硬いため、工場や運搬機の通行箇所、学校などの幅広い施設に向いています。ただし、紫外線によって黄変しやすい点に注意が必要です。対するウレタン樹脂系は柔らかく、会議室や学校、病院、廊下といった歩行者用の場所に適しています。さらに、ウレタン樹脂系には、「硬質ウレタン樹脂系」と「水性硬質ウレタン樹脂系」もあります。

自社設備の床面を新たに塗床工事(床塗装)や改修をする際は、使用場所に適した塗床を選びましょう。

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